最近ラノベで惹かれるものがないなあ〜とネットの海や本屋を物色していた時、ふと出会って即買いしました。
こういうタイトルに弱いのかもしれません。
あらすじもやっぱり好みで、この作品に出会ったのは運命かもしれん...。と
主人公も含め失恋しまくってるのが青春の苦味をたくさん感じさせられましたね。
タイトルにある通りキャラクターのそれぞれが相手の事を読み間違えて進んでいく様は読んでてもどかしくもあり、人間そんなになんでも察せられるわけじゃないんだよな、なんて思いながら。
それぞれがそれぞれにどこか嫉妬を抱いて進んでいくのがとても自分好みでした。けどそれが普通に出てくるのが200ページくらい読み進めてからなので前置きが長あい!と思わなくはなかったですが。
半分くらい文学作品の事語ってましたからね、読書感想文半分?
主人公がそういう経緯で文学作品を読み始めたのでそこに関してはまぁいいかな、と思います。
全体的に面白かったので。
優真と更紗の初対面に感じた違和感をしっかり回収してくれたのは気持ちよかったです。あの直感は間違ってなかった!
しかし瀬奈に関してはわからない事だらけ。すごく瀬奈の掘り下げが早く読みたいです。
優真と瀬奈の絡みには2828こそしたけれど瀬奈の心情は詳しく描かれなかったのでこれからに期待ですね。
でもこう言った作品には仕掛けがあるかもしれないので読み返すと瀬奈の見えてなかった部分が見えてくるのかもしれないな、と思っているので読み返してみるのも悪くないですね。
と思いつつパラパラ捲ってたらここの時系列そこと繋がってたの!?わかるか!となりました。
さて、ここまで本編の感想を語りましたが中身を開いて読み進めて行くと古の記憶の扉が大きく開かれました。
この名前、表現
懐かしい、と感じるシーンがいくつか。
そう、確かに感じるのです。"文学少女"シリーズを
例えば瀬奈がHNに使っていたのが「ななせ」だったり
顔が整っていて女子からもモテて、人間失格が好きと言う片岡くんだったり
瀬奈が椅子の上に体育座りして漫画読んでたり
夕焼けの部屋を蜂蜜をこぼしたような黄金色と文学少女の文芸部の部室で度々使われた表現と似ていたり
モブのようなキャラの名前に赤城(これはヒカルだけど)
イニシャル「S」が作中のキーワードの一つとして使われたり
作中で度々文学少女...ではなく文学乙女という呼称が使われてるのも印象深いです。
あと文学作品で物語が進行していくのとかそうですよね。
最初に太宰治の話をしているのにもリスペクトを感じます。
あとがきではスニーカー文庫の2作品に影響を受けましたと書いてあったけどここまであって文学少女に影響を受けてません!と言われたらほんとに??????となります。
あ、いやこれに関して僕はめっちゃ好ましいと思ってますしたまたま運命的に手を取った作品が自分が最初に読んだ"文学少女"シリーズの面影をたくさん感じられてすごく楽しいです。
そこを踏まえて、なんですけど喫茶店のマスター、実は作者の生写しなのかな、なんて思ったりもしました。
「もう、二十年近く前のオレの青春時代のやり残した宿題。才能も技術も何もないのかもしれないけれど、それでもとにかく挑戦だけはしておきたいんだ。オレの人生だってあと三十年以上はあるんだ。生まれたばかりの子供が作家になるのに十分な時間だ。......きみに読んでもらいたい。それで感想を聞かせてくれないか」
ここがすごく印象に残っています。
考え過ぎかもしれませんしそれこそタイトルにある読み間違いかもしれないけどこの台詞にどこか作者の思いを感じてしまった。
それこそ文学少女は10年以上前に始まった作品です。これを読んだ子供はもう大人になってこうして作家としてデビューしていたって何らおかしくはないんじゃないかって。
何にせよこう言った作品に出会えたのは本当に嬉しいです。
2巻も執筆中との事なので先がとても気になります。