夕暮れのみかん箱の上で

作品の感想や考察を気ままにあげるところ

がくえんゆーとぴあ まなびストレート!を観ました。

先日Twitterで仲の良い人に誘われて行った集まりで女の子がライブを行なっている映像を観ました。

僕はそれを観て何かビビッと来るものがあり

詳細を調べて作品名を知り、仕事の休みの日1日を利用して全話をレンタルして視聴しました。

 

生徒会ものであり青春もの

きらきらでわくわくを求める少女達の物語

登場人物全てにきちんと役割があり無駄なキャラクターが誰1人いない。

そして演出も細かい。

全てを台詞で言わずに動きや背景で表現し

視聴者が想像で補完して行く描写がたくさんあったりと楽しめる要素は盛り沢山でした。

声優も今だと有名!って感じの人が多いのですが声優とか一切気になりませんでした、それくらい物語にのめり込んでました。

 

中でも好きな話は6話です。

 

この話は先に言ってしまえば別に無くても大丈夫な話ではあると思っています。

内容としては学校のテスト期間とむつきと光香の関係性や出会いなのですが

登場キャラクター個々の細かい感情の機微を描くこの作品に於いては何よりも重要な話の一つだったと思っています。

 

冒頭こそ光香とむつきの絡みはあったものの、序盤の芽生の話で視聴者は完全にむつきの印象は芽生の幼馴染みで収まっています。

それがこの話でここまでの全てが繋がるのです。

光香が1人で今まで生徒会をやってこれたか。

むつきが生徒会に協力的だったか。

思い返してみれば結構謎な部分ではありましたがここまでそれをそこまで気にしてたかと言うとそんな事はありませんでした。

話を戻します。

 

テストが終わった後に生徒会室での話し合いが終わり帰る途中に光香はスケジュール表を見た時にソフトの県大会の文字を見かけ、途中立ち寄った駄菓子屋?で尋ねます。

どうだったのかと

むつきは勝負なんだからこういうこともあると力無さげに笑いますが光香は心配していました。

そして帰った後に調べるとむつきのミスで試合に負けてしまった事を知り、どうして気付いてあげられなかったのかと後悔します。

そして夜に勉強を一緒にしようと尋ね勉強を始めますが早々に集中力が切れてしまい休憩に入ります。

そして2人は夜の街へと繰り出しミスド、カラオケ、プリクラ、朝日を一緒に眺めたりします。

 

ここまでむつきが実際どう思ってるのかも描かれていませんし光香がここまでした理由もこの時点では描かれません。

会話も途中からはBGMだけで何やら楽しそうな話をしていますがその内容はわかりません。

 

そしてその後に光香がそうした理由などの全てがわかります。

入学式で出会った2人は徐々に仲良くなっていき、生徒会に入って生徒会長がいなくなった後の光香を支えていたのはむつきだったのです。

ある雨の日、生徒会のメンバー勧誘に雨に濡れてまでしてくれたむつきを見て光香は大泣きしてしまいます。

でもこれは悲しみの涙ではなく嬉し涙なんだと思ってます。

この色々があって光香は生徒会を続けられ、今もこうして生徒会のメンバーであり続けていられたんだと思います。

むつきの存在が無ければとっくの昔に折れて辞めていたでしょう。

その時のことを彼女は今も感謝していて落ち込んでいるであろうむつきに何かがしてあげたかったのです。

なので勉強と銘打って家に押しかけ何かしらの現実逃避をしようと

家にいたら目の前に現実(テスト勉強)があるのでまず外へ。

立ち寄ったミスドでの他愛無い話でも現実的な話題は全て止める。

単に話題がわからなかっただけかもしれませんが最初の発言を止めているところから前者かなと

夜の街は普通の学生にとっては全てが非日常です。

テスト前にも関わらずそれを差し置いて大切な友達のために何かしたいというのは立派な友情ですよね。

BGMだけで会話をするシーンは色んなアニメにもありますがこの話程にそれが重要に感じた時はありませんでした。

2人の時間は2人だけのもの、場面は見せるが会話の内容は各々で想像してね。と

 

こうして過去と今を繋ぐ話は僕は大好きです。

本当の意味で作品を好きになるきっかけの話は大体こう言う話を見た後なんですよね

そして自分がこの作品の映像を初めて観た時に感じた感覚は間違ってなかったな、と。

それは最後までみても変わりませんでした。

 

こんな素晴らしい作品に出会えた事に心からの感謝を。

また語りたい事があれば描くと思います。