夕暮れのみかん箱の上で

作品の感想や考察を気ままにあげるところ

浮遊世界のエアロノーツ 飛空船乗りと風使いの少女 感想

f:id:ka7zu7ma15:20210604025942j:image

こんにちは。

 

さよなら異世界、また来て明日で興味を持っていたにもし先生がイラストを描いているのとタイトルとあらすじ、描かれている女の子に惹かれました。ほぼ全部じゃん

 

世界観も非常に好みで大地はなく生きている人達はみな浮遊島で生活しているというのがなんとも自分の好きな滅びた世界に似ているのも惹かれました。

話もプロローグ、一話〜四話、間に入る幕間とエピローグなので非常に読みやすく、文体も自分好みだったのでスラスラと読み進める事ができました。

アリアと泊人の会話劇もテンポ良くて面白かったです。

 

後珍しいなと思ったのは口絵でこの物語に於ける本当のプロローグが載っていた事ですね。目次には10ページからとありますが実際口絵の部分からになってます。

 

ここだけで物語が本1冊作れそうなものですがそこすっ飛ばして作ってるのはすごいなと思いつついつかその部分もちゃんと読みたいなって思いますね。0巻とかで

 

印象的だった話は第一話と第三話です。

第一話は精霊と人間の恋物語だったのがたまらなくテンション上がりました。人外と人間の恋愛が大好きなのですごく2828しながら読んでました。

話の中でアリアが思ったよりグイグイ行くのにも驚かされましたね。

アリアってこんな子なんだなってのがここでよくわかりました。にしてもアリアの髪型めっちゃ可愛い。

ロイと紫苑には幸せに末長く生きてて欲しいですね。

ところで人間と精霊って子供とかできるのでしょうか?時間が流れて行くならいずれその辺も分かる時が来るのかもしれませんが...。

 

第三話は島が滅びる日を延々繰り返す所謂ループ物かと思いきやそんな事は無く...。

 

この話は読んでいて涙が止まらなくなりました。島から出てアリア振り返ったシーンは思わず「えっ...」って声に出してしまうほどでした。

でもちゃんとフィンの魂が報われて良かったと心から思います。

きっと天国でも島の人達と楽しく過ごせている事でしょう。

アリアの初めてできた友達がこの結末なのはすごく心痛みましたけど別れは人を成長させるものですし、こういう苦い話も大好きなので楽しく読めました。

 

 

全体を通して読んでいる自分も物語の中でアリアや泊人と一緒に空を旅している気分になれてとても楽しかったです。

物語の世界にもひたすら浸る事ができて、とても有意義な時間を過ごす事が出来たなと読み終わった今とても感じています。

そう言った素敵な作品に出会える事はあまりないのでこの出会いを大切にして行きたいです。

 

後はこういう男女の旅もので、男の歳がヒロインと7〜10歳ほど上だと恋愛になるのかならないのかを妄想しながら読めるのも楽しめたポイントの一つかなと。

作中でアリアが泊人を意識している描写はあるもののそれが恋なのか何なのかはまだ曖昧なので先が出るならその気持ちの先も見てみたいなって思います。

 

また2巻で2人の旅の続きが読めるのが楽しみです。