夕暮れのみかん箱の上で

作品の感想や考察を気ままにあげるところ

靴の向くまま 1巻 感想

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こんにちは。

今回読んだのは靴の向くまま

みやびあきの先生の作品ですね。

以前読んだなでしこドレミソラ、珈琲をしづかにが好きだったのでこの作品も購入しました。

 

せっかくこの作品内でも靴を作る時にその人達の物語を語っているのでこの作品を読むまでの経緯を少しだけ。

まず、今日まで読まなかったのは靴のオーダーメイドを楽しく読めるか不安だった。

そして表紙にいる結彩の事を好きになれるか不安だった。

この2つでした。

ですが今日、たまたま時間ができてそろそろ読んでみようと未読本の中から手に取りました。

シュリンクを剥がしてそのまま裏表紙にあるあらすじを見た時、先ほどまで抱えていた不安が一気に消え去りました。

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あぁ、なんて素敵なあらすじなんだろう。

一目惚れしました。

その後に目に入る帯の作中シーンの数々もなんて素敵なチョイスなのだろう。

これを見たら開かずにはいられませんでした。

 

この作品は一気に読むのではなく話を噛み締めて次に行きたいと思う気持ちが強かったです。

なので休み休み読んでいました。

2話まで読んだ時に靴に対する印象がガラリと変わった気がします。

今まで靴はただ履くものであり走るもので値段なんて安くていいし手入れもあまりしないただの装備の1つくらいに思っていましたが、この作品では人生のパートナーの一つとして描かれていて

いつか自分もオーダーメイドのピッタリ合う靴とかあったらいいな、と思うようになりました。

何年先になるかはわかりませんが......。

2話にあった「下を向いたとき、大好きな靴が元気の出る小さなおまじないをくれるの」のセリフが本当に好きで。

これを見てから学生時代の自分に置き換えて想像してそれはとても素敵だな、と感じて。

気付いたらなぜか涙が流れていました。

ほたるが万桜ちゃんから貰った飴を踏み出す一歩として食べるシーンも好きで、こういう描写が見れるだけで満足感が高まります。

人と人とのやり取りも珈琲をしづかにで感じたあの空気感があって、そこも大好きです。

途中に挟まる作者さんキャラクターの解説も可愛くて好きです。癒される〜。

 

 

 

自分は職人ではないけど結彩の言っている事、すごくわかる気がするんです。

人の好きなものを覚えるのが好きで、それを知っていれば情報が手に入ったらすぐその人に教える事ができますし

趣味でやっているカードゲームでも相手の好きを知っていればアドバイスをする時にその相手の好きを活かしたアドバイスをできる。

デッキだって相手の事を知っていればオーダーメイドでその人のためだけのデッキを組む事だってできます。

何をするにしても相手との対話は大事なんですよね。対話があるからこそ相手の事を考えて何かができるというか。

ジャンルは違えどこの作品を通して自分の人生までも肯定された感じがして、なんだか嬉しくなりました。

結彩は両親を亡くしているからこそ、ああいう言葉が出てくるのだろうなとも思いますし、言葉の一つ一つが良いんですよね。

あと昔の靴をアレンジ?して使っているのも好きです。

この1冊を通して、色々なものが流れ込んでくるんです。

そんなパワーがこの作品にはありました。

日比谷くんの恋もいつか実るといいなあ...こういう関係性、大好物です。

普段ならば三つ編み好きとして結彩の三つ編みに触れるところではあるのですがこの作品に関してはそこは薄めで、いやすごく三つ編みにはときめいたのですが、それ以上に作品の魅力が勝ったのです。

でもでも街中にいる時の帽子+三つ編みの組み合わせはとーっても素敵でした!好き!

 

1冊をかけて一つの靴が出来上がる事がこの作品を読んでいると立派な一つの物語として完成されているのだな、と強く感じます。

ページを読み進めるたびに今まで当たり前に見ていたものへの印象がガラリと変わっていく体験も、またこういう漫画ならではでとても楽しいです。

みやびあきの先生、本当に素敵な作品をありがとうございました!1冊の満足感が高すぎて今日はたくさん漫画を読む予定だったのにこの1冊だけになってしまったくらい。

 

次巻も楽しみにしてます!