夕暮れのみかん箱の上で

作品の感想や考察を気ままにあげるところ

僕らは『読み』を間違える 感想

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最近ラノベで惹かれるものがないなあ〜とネットの海や本屋を物色していた時、ふと出会って即買いしました。

こういうタイトルに弱いのかもしれません。

あらすじもやっぱり好みで、この作品に出会ったのは運命かもしれん...。と

主人公も含め失恋しまくってるのが青春の苦味をたくさん感じさせられましたね。

タイトルにある通りキャラクターのそれぞれが相手の事を読み間違えて進んでいく様は読んでてもどかしくもあり、人間そんなになんでも察せられるわけじゃないんだよな、なんて思いながら。

それぞれがそれぞれにどこか嫉妬を抱いて進んでいくのがとても自分好みでした。けどそれが普通に出てくるのが200ページくらい読み進めてからなので前置きが長あい!と思わなくはなかったですが。

半分くらい文学作品の事語ってましたからね、読書感想文半分?

主人公がそういう経緯で文学作品を読み始めたのでそこに関してはまぁいいかな、と思います。

全体的に面白かったので。

優真と更紗の初対面に感じた違和感をしっかり回収してくれたのは気持ちよかったです。あの直感は間違ってなかった!

しかし瀬奈に関してはわからない事だらけ。すごく瀬奈の掘り下げが早く読みたいです。

優真と瀬奈の絡みには2828こそしたけれど瀬奈の心情は詳しく描かれなかったのでこれからに期待ですね。

でもこう言った作品には仕掛けがあるかもしれないので読み返すと瀬奈の見えてなかった部分が見えてくるのかもしれないな、と思っているので読み返してみるのも悪くないですね。

と思いつつパラパラ捲ってたらここの時系列そこと繋がってたの!?わかるか!となりました。

 

 

 

さて、ここまで本編の感想を語りましたが中身を開いて読み進めて行くと古の記憶の扉が大きく開かれました。

この名前、表現

懐かしい、と感じるシーンがいくつか。

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そう、確かに感じるのです。"文学少女"シリーズを

例えば瀬奈がHNに使っていたのが「ななせ」だったり

顔が整っていて女子からもモテて、人間失格が好きと言う片岡くんだったり

瀬奈が椅子の上に体育座りして漫画読んでたり

夕焼けの部屋を蜂蜜をこぼしたような黄金色と文学少女の文芸部の部室で度々使われた表現と似ていたり

モブのようなキャラの名前に赤城(これはヒカルだけど)

イニシャル「S」が作中のキーワードの一つとして使われたり

作中で度々文学少女...ではなく文学乙女という呼称が使われてるのも印象深いです。

あと文学作品で物語が進行していくのとかそうですよね。

最初に太宰治の話をしているのにもリスペクトを感じます。

 

あとがきではスニーカー文庫の2作品に影響を受けましたと書いてあったけどここまであって文学少女に影響を受けてません!と言われたらほんとに??????となります。

あ、いやこれに関して僕はめっちゃ好ましいと思ってますしたまたま運命的に手を取った作品が自分が最初に読んだ"文学少女"シリーズの面影をたくさん感じられてすごく楽しいです。

 

そこを踏まえて、なんですけど喫茶店のマスター、実は作者の生写しなのかな、なんて思ったりもしました。

「もう、二十年近く前のオレの青春時代のやり残した宿題。才能も技術も何もないのかもしれないけれど、それでもとにかく挑戦だけはしておきたいんだ。オレの人生だってあと三十年以上はあるんだ。生まれたばかりの子供が作家になるのに十分な時間だ。......きみに読んでもらいたい。それで感想を聞かせてくれないか」

ここがすごく印象に残っています。

考え過ぎかもしれませんしそれこそタイトルにある読み間違いかもしれないけどこの台詞にどこか作者の思いを感じてしまった。

それこそ文学少女は10年以上前に始まった作品です。これを読んだ子供はもう大人になってこうして作家としてデビューしていたって何らおかしくはないんじゃないかって。

何にせよこう言った作品に出会えたのは本当に嬉しいです。

2巻も執筆中との事なので先がとても気になります。

スローループ 50話 感想

ふせったー(https://fusetter.com/tw/uWrcRzDb#all)でたくさん感想は書いてもう書き切ったかなぁと思いながらペラペラ読み直してたらまだまだ書くべき事が残ってる気がしたので書きます。

 

というか気付いたら50話なのですね。感慨深い...。

 

まずはここ

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前回で親子仲修復RTAをやり遂げた小春、今思えば作中で触れられたジョーカー的振る舞いそのままですね。

気配りが行き届いている......。

 


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次にここ、わがままという単語に反応してるのはわかるけどこの後の振り返るシーンってなんだろうなって疑問だったんです。

今までの小春を思うとかつてはいい子であり色んな感情を出せなかった小春がわがままを言えている、と後ろ(過去の自分)を振り返って自覚したシーンって事なのかもなって思いました。

 

次に問題のシーン


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1枚目、最初は虚ろな目な事に衝撃を受けましたがよくよく見ると泣いていた事がわかり更にダメージを受けました。これがずっと見たかった小春の涙です。

見た目的に小4〜5くらいなのに完成された道化の仮面を被る小春......。

もっと甘えていい年齢なのに、そこまでいい子じゃなくても良いのにって思ってしまいます。

この3ページで描かれるロリ小春はまさに心の奥で悲しみを持っているピエロそのものです。しんどい。

 

そういえば3巻20〜21話でもありましたが小春が過去の夢を見るときはトリガーになるものが存在していました。


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ざっくり言うとこの辺

 

じゃあ今回はなんだろうと考えたところ

①46話で小春のおばあちゃんが小春を裕子と間違えたところ〜旅行中の小春とおばあちゃんの枠外での絡み

②わがままというワード

これらが該当すると思います。

 

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①については目が覚めた時にかつてのように「はるちゃん」と呼ばれて嬉しそうに抱きつくところで説明が付いてるかなと。心の中ではめっちゃショックだったのかもしれない。

②はいい子を演じている頃の夢を見ているので(食べるものに意見を言わず対してなんでもいいと言う等)

 

①のシーン、実は結構引っかかるところがあって、認知が入ってた(?)とは言え小春を裕子と間違えたのはその時の小春が孫ではなく裕子さんのような振る舞いだったからじゃないか説。

直前にひなたさんの娘を演じる小春があったのもあるのかなあと思ったり。

その答えの一つとして子供のように寝ている無防備な小春にはちゃんと「はるちゃん」と呼べていたところが大きいかなと。

単純に魚→鍋が出て来たように小春が見ていた夢の辺りの記憶に戻っていた可能性も捨てきれません。

この辺はまだ情報が少ないので先の話待ちですが可能性の一つとしてあり得ない事はないのかもな、と。

 

にしてもおばあちゃんが撫でた後はちゃんと年相応の顔になるところ好きです。

 

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次にひよりから出た小春のわがままは最初から発言

一誠さんから言われた事をそのまま受け取ってひよりの中で小春が反発する事=わがままになっているっぽいのが可愛い。

姉妹である以上そう言うやり取りはあって然るべきだと思うので小春とひよりがちゃんと姉妹出来てていいなあってシーンではあると思います。

この辺はひより視点で読んでいる人の感想待ちかもしれない。

 

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ので自分はこっちを考えます。

直前に家族3人だけでご飯を作った事に対してのずる発言があるので4人で作ったことにしたかったのかなって。

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まぁ若干いつものマウント取りも含まれている感じもしますが発言の本質は4人で作ったご飯にあると思ってます。

彼女の発言で抜かりないのは別に提案しているだけで他2人からうどんがいいと言われたら引き下がる気配りも感じるので4巻の頃と比べてプレゼン力の上昇を感じます。この子確実に勝ちに来ている......!

釣りでは小春はひよりに敵わないけど料理ではひよりは小春に敵わない、いい関係性ですよね。

 

そして何より夢の頃のいい子を演じて自己主張が少なかった小春がちゃんと自己主張をしているのが良いです。

悲しみが消えないのは6巻で語ってますし、1人になるとやっぱりすごく後悔して寂しくなるんだと思いますが今の小春の周りにはたくさんの人がいてそうなる頻度はすごく減っているんじゃないかなと思ってます。慣れていったのももちろんあるでしょうけど。

何にせよ小春が幸せそうにしているのを見ているのが読者としても1番の幸せなので良かったね、小春。

と思わざるを得ません。

 

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今回の旅行では

おばあちゃんにまた「はるちゃん」と呼んで欲しかった

無意識のうちに自己主張ができるようになっていた

家族4人で料理が作れた等小春にとって嬉しいポイントが多いからこそこの笑顔なのかなって。

内2つは旅行の後なので尚更、な気はします。

何度も言いますが小春が笑顔な事が自分にとって1番の幸せ。これからもこういう笑顔をたくさん見たいです。

まだまだ7巻範囲の話は掘り下げ甲斐があると思うのでまた何かあれば書きます。

またぞろ。 2巻 感想

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いつものようにTwitterで感想書こうとしたんですけどあり得ん長くなったのでこっちに書きます。

 

この作品は脳死で詩季ちゃん可愛い!天使!楓と麻里矢の顔が良すぎる!で読むのもいいけどやっぱり色々考えたくなっちゃう。でも上記の感情は常に隣にいます。

 

何言ってんだって話ですね。本題行きます。

 

やっぱり今回好きなのは殊と麻里矢の関係性の話。

え、こんな早く消化するの?というのが初見の感想。

まぁこの問題は引っ張れば引っ張るほどヤバくなるから早期に解決しとくに越したことはないんですけども。


今回ずっと悩んでた「親友」って結構概念的なところだから難しい話なんだけど結局どんだけ変わっても好きな気持ちが揺るがず一緒に居たいならそれがもう答えでいいんじゃないかなって思うんですよね。

 

この手の話、さようなら今までの私たち、こんにちはこれからの私たちって感じでとても好きです。虹ヶ咲のゆうぽむとかそんな感じでしたね。

 

お互いがこれからしっかり幸せに向けて歩き出す感じで...まぁ殊はこれからも大変でしょうけど麻里矢の幸せな未来は設計されてしまったので突っ走って欲しいですね。なんだかんだで同棲してそうな気もする。麻里矢じゃないなら詩季ちゃんだろうし、殊が実家から出る未来が全く想像出来んな...。

同棲までとは言わんでも一人暮らしなんて事になったらサラッと隣に越してるよね。

 

まぁ結局殊ちゃんが生きてりゃそれだけで幸せ!って感じに落ち着いたのはとても良いんじゃないかなって感じでした。

 

殊に関してはもう同じ人間下手くそマンからしたら生きているだけで偉い!と全肯定入っちゃうとこあります。

 

ここの解決に当たって詩季ちゃんが麻里矢に怒る展開とかあるんかな〜?とか思ってたんですけど解決が早期だったためにそこまで行かずに済んだなって感じします。過保護な姉に反発したのもその後の回だしまだ殊への理解が足りてないのもあるし2人の問題を全く知らん人が首突っ込んだら云々という巴と楓が意識的に取ってた行動を無意識ながらもやっていたのかなって。

 

もし3巻以降までこの問題を引っ張っていたら詩季ちゃんがどうなっていたか、も見たくはありますよね。

 

 

 

そんでもう一つ好きなところは楓と巴の話ですね。

人が変わるきっかけってのは本当に些細な事で、本当に人ってこんなしょうもない事で大きく変われるんですよ。不思議ですよね。経験済みなのでよくわかります。

変わらなかった人と変わった人をうまいこと組み合わせてるまたぞろ。結構恐ろしいな。って思います。いい意味で。

 

そういえばネットで見たスクショ達、ここだったのか!となったのも楽しかった。

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2巻の引きからしてこれから詩季ちゃんの姉も出てきそうなので楽しみですね。FUZ会員で読むの間に合わなかったので続きはおとなしく3巻を待ちます。

某考察をやった本人が否定的な方向で見てみた。

こんにちは。

あれから某記事にちょくちょくコメントを貰い始めて、はてそういえば自分がそっちから見た事なかったな、と思ったんでやります。

なんでかって、楽しそうだから!

あと明るめの考察したいなー!!と思ってたので丁度いいかなと。

内容は6巻まで読んでれば大丈夫かと思います。

 

本記事は下記2つの記事から来ていますのでまずはそちらをお読みくださいませ。

 

https://aoimikan.hatenadiary.jp/entry/2020/04/13/201118

 

https://aoimikan.hatenadiary.jp/entry/2022/01/25/222210

 

基本的に最新式である続の方中心に行きます。

ただ、あれから日々色々考えてはいるのである程度あっちとは切り離して読んで頂けたらとも思います。

 

というか自分自身あの考察は好きじゃないですしもう2度としたくないレベルです。

だって著者は小春が1番好きですし、そんな子がそうだったなんて辛すぎます。

ただまあ何か素材が投下されたらまた可能性の一つとして掘り返しちゃうんだろうな、とは思ってます。

小春の事はたくさん考えたいので。

 

スク水について

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お馴染み(?)の1話で小春が着ていたスク水

何故このチョイスだったのか。

あれから有難い事にいくつかコメントを頂いたので(現在は諸事情により非公開)改めて調べてみました。

 

普通に可愛い水着を持ってるもんだと思ってたんですけど持ってない可能性についてはあまり考えてませんでしたね。

 

という事でGoogle先生で調べてみたのですが

中学校までは割とスク水のままって人が多いんですね。市民プールレベルだと寧ろビキニとかの方が目立つとか。

二次元に毒されすぎてその点を失念していたのは頭抱えました。

 

海は裕子さんと夏樹が亡くなってからは行く機会がなかったと思ってるのでそこは問題なく進められます。海であのスク水は逆に目立つし...。

なんで田舎知識の認識のまま地元で使ってたスクール水着を下に着てた、とするなら確かにそうなのかも?とはなります。

 

そう考えるなら6巻のおまけるーぷでプチ都会ガールになり普通の水着を着て出掛けるようになってスク水はダサいと思えたのかもしれませんね。

 

ただ、なんで平仮名の名前付きだったんだろう、もしかして小学校の時の......。

 

②この奇行の理由

37話にて一誠さんから相手側の近くに海があると聞いて喜んでたので純粋に海が楽しみだった、とも取れます。

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結果、目の前でいざ見てテンションが上がりまくってあわよくば泳ごうと着ていた水着になって入ろうとしてしまったと(それはそれとして普通に自殺行為だからやめてくれー!と一誠さんと同じ気持ちになりますが)

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ただ色んな作品に於いて1話って重要なものなので(小春がわかりやすく打算で行動してるシーンもありますし)そのまま見るだけってのはどうも納得し辛いところはやっぱりあります。これ結局そのままの小春を見てるだけですし。

 

③は②がないと続かないので割愛。

1つだけ否定するとするなら小春が防波堤にたまたまいたひよりを最初から知ってたかもしれないというのは現状だとないと思ってます。

じゃないとここでこの台詞は出てこない気がしてるので。

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ちなみに上で言った打算の行動はこれです。

他の記事で何度か言ってますがここは今の家が居づらくなった時の逃避先を用意しようとしていたのを強く感じるんですよね。

 

 

ここまである程度ポジティブに考えても片隅にあるのは彼女が無意識のうちに溜め込むストレスと今もなお慣れて来てはいるものの簡単に割り切れない母と弟の死が付き纏います。

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そして所々から伝わる小春の自己肯定感の低さもあります。

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マイナス方面に振り切った考察が出来るのもうちのまいこ先生が意図的に考察の余地ある空白を残して描くのが大きいです。全部描くよりある程度ボカす描き方が僕は大好きです。

 

それこそ某考察の可能性が0と言い切れないくらいにはたくさん考える余地があると思っています。

釣りや色んな事を無邪気に周りを振り回し楽しむ小春も、時として込み上げる失った大切な人への寂しさや悲しさと向き合う小春もどちらも小春なので。

 

ところで否定出来てたんかなこれ......?まぁいいか。

これからも小春の事をたくさん考えていきたいです。

では!

小春と土屋さんの関係性で思う事。

前からまとめときたいと思ってたので書きます。

 

土屋さんは37話の中学生の小春がクラスメイトからどう見ても失礼な発言すら気にしてないと笑っているのを見てあらぬところから切り込んで来た子です。

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小春はそんな孤高な感じを気に入ったのか帰りに自分から話しかけに行くんですよね。

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小春が内面を少し吐露してもこの反応。小春が好きと言う気持ちも分かります。

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37話で描かれてたのはここまでで、この先しばらくは読者の妄想に委ねられました。

今の小春を見るにそんなに関係は進んで無かったんだなあ、と当時は思ってましたね。

 


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38話でゲーム友達になっていて目ん玉飛び出ました。1ヶ月で答え合わせが来たの今思えば幸せだなあ。

関係が続いてたのがただただ嬉しい。

 

2人がそれからどうなったかは40話の冒頭でわかります。

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小春が引っ越す事が分かって、小春の事を心配する土屋さんです。

それに対して小春はからかって土屋さんがあしらう

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それが37話から築いて来た2人の関係のその先なんですね。

ここで小春は引っ越してしまうので一旦2人の関係性はここで打ち止めとも言えます。

表面上はほっこりできる良いやり取りが続くんですがそれも表面上での話です。

小春は恋ちゃんにジョーカーと言われるくらいには相手にとって必要なカードになれる子。それは昔も今もいい子を演じようとする小春の一側面です。

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41話や37話で描かれたピエロである小春とはまた違います。

 

何が言いたいかと言いますと今の土屋さんと小春の関係は、土屋さんの望む心配したくなる理想の小春を小春がそれを知って演じてるような状態。

 

出会った頃のあのサバサバした感じはもう面影がありません。小春大好きになっちゃってますね。

それだとどうなるって、小春は本音を見せなくなったし見せられなくなった。

 

ただ小春も小春でまた土屋さんにサバサバした土屋みやびという理想を求めていたところも感じるのでどっちもどっちって感じします。

 

つまるところ、最初は小春が理想を求めたけどそれは叶わず、最終的には土屋さんが小春に理想を求め、それに小春が応えているような関係になってるって感じですね。

生々しいなって感じで好きです。

 

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今の土屋さんは37話の時に自分で言った嫌いな奴に両足突っ込んでる感じします。

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この場面のこの表情もこの事に気づいてしまったのかもしれませんね。

 

これ以上のものが現状無いので話はここまでです。

ここからは好きな場面について語ります

 

 

 

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このやり取りです。

「海は好き?(多分純粋な質問)」に対し強めに「嫌い」と発言してたり

「泳ぐならプールでもよくない?」にしても小春に行かないで欲しい、隣に居て欲しいと遠回しに言ってるように感じるんですよね。

海という漢字一つ取っても小春の苗字である海凪には海が含まれてますしスローループに於いて海という表現はそのままの意味だけで捉えるのは難しいと思ってます。

 

これはアニメのEDに使われてるシュワシュワの歌詞で使われる海にも通ずる部分ですね。

原作の表現こそ全てではありますが解釈なんて色んな触れた表現を引き出しに詰め込んで何かを考える時に引き出せるものと思うので参考になるものはとことん取り入れたい所存です。

 

またなんかあったら書きます。では!

推しが隣で授業に集中できない!最後まで読みました。

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推しが隣で授業に集中できない!
6巻読んだ後の引きから7巻発売まで待ちきれなくてアプリ入れたら無料チケットで残りの全話が読めたから勢いで最後まで読んじゃった。

最後までの感想本当にネタバレ配慮無しに書いてるので単行本派の人は読み終わってから是非この先を読んでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり読み終わってから思ったのは終わっちゃったな...と思う喪失感。やっぱり好きな作品が終わるのはいつだって寂しいものです。


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この作品を好きになったのはやっぱり推してるアイドルが隣の席にいたらどうなるか!と言うアイドルを推した事がある人なら共感してしまいまくりなテーマに惹かれてが大きかった。

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試し読み↓

https://comic-days.com/episode/13933686331728610954

最初は中々学校に来れないアイドルとファンの友人関係を中心に描いていくんだなと思っていたらアイドル活動をしてる千尋ちゃんの話も増えて行って

その2つをバランス良く両立して描くのって結構大変そうに思えるんだけどそれが絶妙に良いバランスで読んでて心地良かったしそのどちらも知れるのは読者として、そして千尋ちゃんが1番好きな自分にとってはこれ以上ないくらいに読んでいて幸せでした。もうすっかりシャイナーです。

 

読んでて好きなところは26限「両立は大変」で咲子とまーやが千尋のためにアルバムを作ったのを見せるシーン。


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2人が千尋ちゃんのためを思って行動をしたのがただただ嬉しかったし

中々学校に来れない千尋ちゃんだからこそ形に残る思い出はなによりも大切だと思うのでこのシーンはジーンと来ちゃいました。

 

次に好きなところは30限「ルーティーン」で歌詞をトバしてしまった千尋がトイレで泣くシーン。

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直前で誰にも負けないと言っていただけに読んでいるこっちも泣きそうになる。

千尋の事が知れるのも千尋好きとしては嬉しかったし何よりもみんなの前では笑顔をキープして1人になった時に弱音を目一杯吐き出すのがまさに「アイドル」で良い。

でも仲間の前でくらい思いっきり泣いても良いんだよ、と思ったのもまた事実だけどこういうアイドルとしての千尋もしっかり描いてくれるのが推しとなの魅力なんだよなって。

その前後の千尋を気にしてる沙奈もすっごく好き。こういう関係性が読んでて心地いい。

 

最後に1番好きなシーン

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40限「ソロ仕事」にて段々ソロで仕事を貰ったり春シャンメンバーが憧れてる番組に出れたり順風満帆だけどその在り方にモヤモヤしてる千尋に対して美咲が言い切るシーン。

読んだ時、この話を読むためにここまで推しとなを読んできたんだって思えた。

ここまで度々悩む千尋ちゃんを見てきたけど1番見たかったのはここなんだって。

推しとなは全体的に何かを選ぶ女の子をしっかり描いているのでこの話はその最骨頂を感じた。

 

作品を読んでて嬉しいのってやっぱこういう瞬間だと思う。

まだこれは5巻だから早すぎるかもしれないけど

最後まで自分はこの作品を好きで居続けられるんだろうなって確信が持てた。

 

その証拠にこうして最後まで読んだ余韻が抑え切れずTwitterの長文感想で済ませようと思ったのを辞めてブログという形に残るものでこの作品がどれだけ好きだったかを書いてる。

 

 

この作品を読んでて凄いなって思うのは春シャンのライブシーンがまさに今読者もライブ会場で一緒に観ているんだ!と感じられるところ。

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読み終わった後、周りを見たら自室であれ?さっきまでライブ会場に居たはずじゃ...?と不思議な感覚に陥る。

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もうね、アガるに決まってるんですよこんなん!!!リアルライブで見たら叫んでるよ間違いなく!!春シャンまじハンパないって!

 

終わってしまったのはやっぱり寂しくもあるけど

最後までこの作品を推し続けて後悔なく推し切ったぞ!と心から感じているので満足感は凄い。

勿論もっと読みたかったな、と思うところが無いとは言い切れないよ。だって大好きな作品だったんだもん。

あぁー、アニメ化とかしないかなー!!!

作中で使った曲全部リアル曲にしてアルバムみたいにして販売して欲しいー!!絶対買う!!!

君とサマーラブがアイドルソングらしいから特に聴いてみたい!

 

 

 

ここからは1巻から読み直しての感想なんだけど

 

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ちろちゃんだけを見てる時のピンボケ描写がとてもいいなって感じた。

 

単行本1巻から知ったから推しとなと過ごした時間が1年ちょっとなのに驚いた。

思ったよりあっという間だったんだなって

好きな作品だと時間の流れってゆっくり感じて、推しとなも3年は少なくとも触れてたような感覚だった。

 

そんな作品に出会えた事が何より幸せでした。

本当にありがとうございました!

スローループ 45話 感想と考察

こんにちは。

衝撃の最新話から1日ちょいが経過しましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 

と言うことで感想書いていきます。

感想と言いつつ考察垂れ流し場になりそう。

 

 

45話の余韻に浸ってる人はもう少し読むの待った方がいいかも、とだけ。

 

まず扉絵

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かわ......かっわ......え、かんわいい......

小春のバーゲンセールだ......右上お持ち帰り希望です。

 

さて本編

遂に来てしまった小春とひなたさんの2人回。

これまで幾度か料理で一緒に何かする事はあれどここまでガッツリ絡む話は何気に初めて。

 

絶対何かあると覚悟はしてました。

 

今回読んでいてまず疑問に思ったのは

小春がひなたさんに対して敬語じゃない。


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どこからかと言えば買い物に誘われてから。

最初は友達と遊ぼうとしてたところに声をかけられたので友達と遊ぶみたいな感じなのかな、と思ったけどそれにしても色々と不自然なんですよねこれ。

なので考えて行きます。

 

とりあえず今回の小春について行き着いた結論を出す前に可能性を潰します。

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この回以前の本編最後の会話と言えば37話の冒頭ですがこの時はまだ普通に敬語なんですよね。

そしてメタ的な話をすれば小春がひなたさんへタメ口で話すようになるエピソードがあるとしても飛ばすとはとても思えない。スローループは家族の物語ぞ???

これで飛ばしてたら桜の木の下に埋めてください。

 

そんで一緒に料理をしてるのもこの2人を見る上では大事っちゃ大事だけどそれで2人の仲が大きく進展するかと言われたらまぁ見ての通りなわけで。

逆にひよりとは料理を通じて仲が進展してるところの対比は結構好きです。

 

ここで小春がどんな子だったかを思い出して欲しいんです。

小春は土屋さんからピエロと呼ばれるくらいには自分を演じる子。

 

結論

つまりこの回の小春が何してたかって

買い物に誘われたあの瞬間からひなたさんを自分のお母さんと設定してその娘を演じてたって事になります。

 

なんて残酷な事言うのって思う人いると思うけどそもそも誘われる前はひなたさん呼びなんですよね。

演じてる甲斐あってかちゃんと店員からは娘さんだと認識されてる(実際娘なんだけど)

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あと面白いのが買い物に行ってから件の呼び方をするまで小春は一度も作中でひなたさんを呼ぶ事はない。

ここまでお膳立てされて仕組まれてないと思わない方が不自然というもの。

不意をつかれた時やふざけてる時は敬語ですが......w

 

いつもの小春は表に出て来てないですし。

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ひなたさんが落としたハンカチを拾うシーンがいつもの小春と娘役の小春が合わさるシーンだと思ってます。

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ここで考えたのでしょう。

なんて呼びかけるのかを。

21話でも同じような顔をして考えているので底の自分に語りかける時等はこんな顔になるのかな、と。


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そして小春は呼びました。「お母さん」と

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台詞は上記で話してる娘役を演じる小春のもの。

ただ表情が前の1番下のコマから意図的に隠されています。

 

なのでこの時の表情について、考察して行きます。

まず、小春からママである裕子さんに対するものから。

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熱でうなされてる時には夢に見て


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割と唐突にママの話したり


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人生の始まりと言われるレベルの思い出が上の話だったり


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海の話をするときもすぐに出てくる。

 

今も昔もずっとずっと小春は裕子さんの事が大好きなんです。

多分誰よりも。

 

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本当の笑顔を見失っていても、ずっと裕子さんは小春の中にいて

 

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ひよりへのアドバイスからしても、まだ小春の中にイマジナリー裕子さんがいるんじゃないかなあとは思ってます。

そんな裕子さんに強い執着している小春が新しい家族だとわかっていたとしても裕子さん以外に母親を象徴する呼び方ができるかって言ったら難しいと思います。

それらを踏まえて小春はどんな表情で「お母さん」と言ったのか。

今の結論ではこうなりました。

 

とても辛そうな顔をしていたんじゃないか

 

でもきっと、それは一瞬の事でひなたさんが見た瞬間には

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いつもの作り笑顔を浮かべてこう言ったんじゃないかなと。

小春ってそういう子ですし。

というかこの作り笑顔こそ今回の小春は演じていた、と取れる最大の証拠なんじゃないかと思ってます。

 

呼び方がママじゃなくてお母さんなのはせめてもの妥協点なのかなって思います。ママは裕子さんだけなので。

役であってもそこだけは譲れなかったんじゃないかな。

 

 

 

一見大きく進展したかに見えた買い物回は、ただただ小春の計算によって生み出された産物だったという結論になりました。

 

ひなたさんからしても小春をまだちゃんともう1人の娘だと認識しきれていないだろうにいきなりお母さんと呼ばれたらあんな真顔になります。

というかその次のページでも笑えてないんですよひなたさん。小春と違って作り笑顔すら出来てない。

呼ばれて嬉しいのであればこの時に笑えているはずだよなあと。

最後はさっきまでの2人という感じですが。

 

小春が役者として動いていたとしてもひなたさんはそれこそ友達とか娘(ひより)の友達みたいに接してた感じはあるのですれ違うのは当たり前です。

 

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そしてこれ、最後の描写でひなたさんは受け入れたというよりは先生にお母さんと呼んでしまった的な恥ずかしいアレとして処理されてる気がしなくもないです。

この会話はあくまでさっきまでの2人に戻った、みたいなものなので。

 

しかしこの打算に満ちた行動がこれからの合同家族旅行で何かが変わる大きなきっかけにはなっていると思います。

 

ひなたさんがどうもう1人の娘である小春のお母さんになって行くか

小春がどうひなたさんを本当の意味で新しいお母さんとして受け入れて行くのか

この先がとても楽しみになる最新話でした。